さつまいもの生産地として有名な鹿児島県は、さつまいもを使った郷土料理も豊富にあります。そこで、「郷土料理って難しそう」というイメージがある方でも挑戦しやすいレシピに挑戦してみませんか。

郷土料理は、各地域の名産品を活用して地域ごとの良さを表現したものです。地産地消にもなるので、環境にも優しい生活につながりますよ。今回は、さつまいもを使った鹿児島県の郷土料理を5つご紹介します。

この記事でわかることは以下の通り。

 

さつまいもと鹿児島県の深いつながり

さつまいもと鹿児島県には深いつながりがあるのをご存じですか？鹿児島県は、さつまいもを栽培しやすい環境であり、生産量は全国1位。水はけの良いシラス台地がさつまいもの栽培に適しています。

シラス台地とは、九州南部の火山灰などから作られた土地を示します。さつまいもの栽培に必要な水はけの良さと日照条件などがそろっている地形なので、さつまいもの栽培がさかんです。

参考元：農林水産省|令和2年度かんしょの作付面積及び収穫量

さつまいものルーツ

さつまいものルーツは、紀元前800~1000年頃までさかのぼります。中央アンデス地方で栽培が始まり、15世紀の終わりにコロンブスがアメリカよりさつまいもを持ち帰ったことから広く知られるようになりました。

しかし、アメリカの気候はさつまいもの栽培には適していなかったため、栽培されることは少なかったようです。さつまいもは、温かい気候で良く育つ特徴があったことから、アフリカやインド、東南アジアに持ち込まれ、さつまいもの認知度が上がったといわれています。

さらに、東南アジアから中国へ広まり、1600年頃に中国から沖縄県へ伝わり、沖縄県から鹿児島県に伝わったことで、全国的にさつまいもの栽培が広まりました。

鹿児島県とさつまいもの歴史についてこちらの記事で詳しく解説しています↓

さつまいもの歴史探索！鹿児島県とさつまいもの繋がりとは

 

さつまいもを使った鹿児島県の郷土料理

さつまいもは、焼き芋にしたりお菓子を作ったり、さまざまな料理に応用できる食材です。さつまいもの生産量が多い鹿児島県では、さつまいもの美味しさを引き出す郷土料理が豊富にあります。そこで、鹿児島県で親しまれている郷土料理について見ていきましょう。

さつまいもを使った鹿児島県の郷土料理は以下のとおりです。
・からいもごはん
・からいもねったぼ
・がね
・みき

 

からいもごはん

「からいも」とは「さつまいも」を示します。簡単に作れることから郷土料理として親しまれているようです。さつまいものほんのりとした甘みとほっくりした食感が食欲を引き立てます。

作り方

1.さつまいもを洗ってから、1cm角に切ります。
2.お米を研いでから、さつまいもと塩を少々加えて炊飯します。
3.器に盛り付け、黒ゴマを振って頂きましょう。

参照元：農林水産省Webサイト

 

からいもねったぼ

つきたての餅と蒸したさつまいもを合わせて食べる郷土料理です。お正月に食べられることが多いですが、通年でもおやつとして食べられています。

作り方

1.さつまいもの皮をむき、1cm角に切ります。切り餅も同様に切りましょう。
2.さつまいもを鍋に入れて、ひたひたの水を加え、約7分煮ます。
3.さつまいもが柔らかくなったら、餅を加えてさらに約3分煮てから水を捨て、さつまいもと餅をついていきます。
4.手水をつけて生地を丸め、きな粉と砂糖をまぶして完成です。

参照元：農林水産省Webサイト

からいもねったぼの作り方のコツについて、こちらの記事が参考になります↓

【鹿児島の郷土料理】からいもねったぼ

 

がね

がねとは、さつまいもや人参などの野菜を太めの千切りにして衣をつけて揚げる、甘い味付けが特徴の料理です。見た目が「かに」に見えることから「がね」といわれるようになったそうですよ。（「がね」は鹿児島弁で「かに」を表します）

作り方

1.さつまいもと人参を太めの千切りにします。ニラも人参と同じくらいの長さに合わせて切ります。
2.小麦粉、もち米粉、砂糖、卵、薄口しょうゆ、塩を混ぜながら、水で適度な硬さに伸ばします。
3.野菜に衣を絡めて横長の「かに」のような形に整え、170℃の油でじっくり揚げましょう。

参照元：農林水産省Webサイト

 

みき

みきは、漢字で神酒と書きます。祭事のときに使われていた口噛み酒がルーツ。奄美地域で飲まれている乳酸菌発酵飲料として知られています。

材料は、とてもシンプルで米とさつまいもと砂糖だけです。甘いおかゆや甘酒のような味わいであり、果物を入れたりお酒で割ったりしながらアレンジも楽しめます。

作り方

1.お湯をわかした鍋に米粉と砂糖を入れ、加熱しながらかき混ぜます。
2.さつまいもをすり下ろし、しぼり汁を用意します。
3.1の温度が30℃くらいに下がったら、2を加えて蓋をしてから冷暗所で数日発酵させます。
4.3を冷蔵庫で冷やし完成です。

参照元：農林水産省Webサイト

 

郷土料理のアレンジレシピ

郷土料理にさつまいもを加えた、アレンジレシピもおすすめです。さつまいもを入れずに作る郷土料理も美味しいですが、たまにはちょっとアレンジを加えてみるのも楽しいですよ。

 

豚汁

鹿児島県は、かごしま黒豚も有名です。温暖な気候により麦味噌の生産もさかんであるため、豚肉と味噌を使った料理が多く、豚汁は郷土料理として親しまれています。

根菜類を豊富に取り入れた豚汁にさつまいもを加えてみるのもおすすめです。さつまいもの甘みが豚肉の旨みと合わさり美味しく頂けますよ。

作り方

1.豚肉、人参、大根、里芋、さつまいもなどを食べやすい大きさに切ります。
2.こんにゃくはアク抜きをしてから、短冊切りにします。
3.厚揚げも食べやすい大きさに切りましょう。
4.鍋に材料を入れ、だし汁を加えて煮込みます。
5.材料に火が通り柔らかくなったら、味噌を加えて盛り付けます。

参照元：農林水産省Webサイト

 

まとめ

今回は、さつまいもを使った鹿児島県の郷土料理を5つご紹介しました。さつまいもを使った代表的な郷土料理は「からいもごはん」「からいもねったぼ」「がね」「みき」「豚汁」です。郷土料理は地産地消にもなり、伝統的な食文化に触れるきっかけにもなります。自宅で簡単に作れるものばかりなので、気になるレシピがあったら挑戦してみてくださいね。