さつまいもの芽は食べられる?安心して食べるための豆知識
さつまいもをしばらく放置していたら、さつまいもから見たこともないような芽が出てきた!
慌てて芽を取り除いてみたけど・・・「もしかして、さつまいもの芽って食べられるの?」と思った経験はありませんか?
食べられるなら捨ててしまうのはもったいないですよね。
だって、さつまいもの芽からも栄養が摂れるかもしれないから。
そこで今回は、さつまいもの芽は食べても大丈夫なのか調べてみました。
目次
さつまいもの芽に毒はない
さつまいもの芽に毒があるのか気になるところですが、さつまいもの芽には毒がないので安心して食べることができます。
ではなぜ、さつまいもの芽に毒があると思ってしまうのか?
同じイモ類の仲間であるじゃがいもの存在の影響があるようです。
ジャガイモの芽や緑色になっている皮には、天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれています。
あなたも調理する際は必ず取り除くようにしていますよね。
だから、イモ類であるさつまいもにも毒があるのではないか?と思われるようになったそうです。
さつまいもとじゃがいもの差
sweet potato(さつまいも)とpotato(じゃがいも)と示されるように、さつまいもとじゃがいもは、同じイモ類の仲間です。
ただし、属性がそれぞれ異なります。
さつまいもは、ヒルガオ科サツマイモ属であり、アサガオやヒルガオと同じグループ。
じゃがいもは、ナス科ナス属なのでさつまいもとじゃがいもは、少し異なる性質をもちます。
じゃがいもはナスに全然似ていませんが、じゃがいもとナスの花はとても良く似ています。同じように、さつまいもの花もアサガオそっくりなのだとか。
ちなみに、ナスにもソラニンがあるので、実以外は食べないようにしてくださいね。
さつまいもの芽が出る条件
さつまいもは秋に収穫される食材です。
16℃以上になると発芽するので、さつまいもを買って使わずに放置しているといつの間にか芽が出てしまうことがあります。
反対に、9℃以下だと冷害を受けてしまうので、冷暗所で保存する方法が適しているそうです。
夏場は暑すぎるので、野菜室で保存するのも良いですね。
さつまいもの芽は栄養豊富
さつまいもの芽にも栄養はしっかり含まれています。
栄養価の高い芋がら(葉っぱと茎をつなぐ部分)は、携帯食としても重宝されました。
鎌倉時代から戦国時代までは、芋がらを乾燥させて帯のように長く編み、持ち歩いていたそうですよ。
また、現在は茎と葉がおいしく食べられる新種のさつまいもも栽培されています。
「すいおう」という種類のさつまいもで、葉柄の部分はシャキシャキ、葉は湯がくとモロヘイヤのような食感が楽しめるようですよ。(*1)
では、栄養素についてお伝えしますね!
食物繊維
さつまいもの芽には、食物繊維が豊富に含まれています。
さつまいもに食物繊維が多いのは知っているけど、さつまいもの芽にも栄養があるなんて驚きますよね。
食物繊維には、糖の吸収を緩やかにする作用があり、血糖値の上昇を防いでくれます。
腸内環境も整えてくれるため、便秘解消やダイエットにも効果的が期待できそう!
ビタミンE
さつまいもの芽には、ビタミンEも含まれています。
ビタミンEは、抗酸化作用がありアンチエイジングにも嬉しい効果がありそう!
血中のLDLコレステロールの酸化を抑制したり、赤血球の破壊を防ぐ役割もあるとのこと。
細胞の酸化を防いでくれるので、若々しくいられそうですね。
β-カロテン
さつまいもの芽には、β-カロテンも豊富です。
目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を高めてくれる作用があります。
さつまいもの芽を食べると、免疫力アップに欠かせないβ-カロテンが摂れるのも嬉しいですね。
(*2)
さつまいもの芽の賞味期限を知る
さつまいもの芽の賞味期限は、約3ヵ月。
下処理をしたあとは、冷蔵庫で約2~3週間、冷凍庫で約1~2か月の間に食べるようにしてください。
さつまいもの芽がたくさんあるときは、通気性の良いザルに乗せて乾燥させてみませんか?
天日に3~5日ほどあてて乾かせば、約6ヶ月ほど保存できるので保存食にピッタリ。
使うときは、切干大根のように水に浸して戻してあげれば簡単に調理可能な状態になります。
さつまいもの芽の活用法
さつまいもの芽の活用法は2つ。
・料理につかう
・観葉植物として楽しむ
では、実際にさつまいもの芽をどのようにして活用したら良いのか一緒にみていきましょう!
料理につかう
さつまいもの芽を活用する方法で最もポピュラーなのは、料理につかうことです。
さつまいもの芽に含まれるβ-カロテンは、油との相性が良く、吸収率が高まるため、さっと炒めたり、金平にするのがおすすめ。シャキシャキの食感が癖になりますよ。
すりおろしにんにくを加えても美味しいです。
材料は、さつまいもの芽150gと刻みネギ5cm、鶏ガラスープの素小さじ1と塩少々、すりおろしにんにく小さじ1とごま油大さじ1。
フライパンにごま油をひいてから、すりおろしにんにくを入れて香りを移します。下処理したさつまいもの芽と刻みネギを加えて炒めましょう。味付けは、鶏ガラスープの素と塩で好みの味付けに!さつまいもの芽がしんなりしたら調味料を加えてくださいね。
また、さつまいもの芽の独特の味が苦手な方は、マヨネーズとツナで合える料理も美味しくいただけます。マヨネーズで好みの味に調整できます。
さつまいもの芽の下処理
さつまいもの芽には下処理が必要です。
まず、さつまいもの芽の茎の部分をフキの筋を取るように葉の部分から下の方へ取りましょう。
筋が取れたら水にさらし、食べやすい長さにしてください。
カットしたら茹で具合を確認しながら下茹でをします。
適度な硬さになったら、水にさらし、再度引き上げて完成です。
さつまいもを美味しく食べるためのポイント
さつまいもの芽がでると、さつまいもの栄養が芽に移動するため、味が落ちてしまいます。
さつまいもの芽を調理する目的ではない場合は、早めに芽をつんでしまう方がさつまいもを美味しく食べることができます。
もちろん、さつまいもの芽を調理して美味しくいただくこともできますので、用途に合った方法を選んでくださいね。
観葉植物として楽しむ
さつまいもの芽を食べることに抵抗がある方は、観葉植物として楽しむ方法をおすすめします。
部屋の中に緑が少しでもあると、心が和みますよ。
さつまいもの葉は次第に成長し、ポトスのようになるので、部屋に飾っておいても違和感がありません。
葉の部分が強調されるように、さつまいもの部分は可愛らしい布などで覆っておくとしっくり馴染みそうですね。
https://twitter.com/motimotimotic/status/1305041823438495745?s=20
まとめ
今回は、さつまいもの芽を食べても良いのか?について解説しました。
じゃがいもと同じイモ類ですが、さつまいもの芽には毒性はないようです。
安心して食べられる食材であり、栄養も豊富。女性に嬉しい食物繊維やアンチエイジングに効果的なビタミンE、免疫力を高めてくれるβーカロテンも含まれています。
さつまいもの芽で料理をつくるときは、下処理をお忘れなく。さつまいもの芽には独特の苦みがあるので、気になる方はマヨネーズなどの調味料を使うことをおすすめします。
食べるだけではなく、インテリアとしても楽しめるさつまいもの芽。もちろん、さつまいもの芽が出る前に美味しくいただくこともできます。
さつまいもに芽が出たから捨ててしまおうと思わずに、有効活用してみませんか?
【参考資料】
*1農林水産省
*2公益財団法人長寿科学振興財団