白豊(シロユタカ)の特徴と使用方法|白さ際立つさつまいものヒミツ
さつまいもなのに皮が白い?!
さつまいもといえば、濃い赤色の皮を想像する方が多いですよね。濃い赤色の皮のさつまいもはポピュラーですが、中には皮が紫色のパープルスイートも出回っています。
しかし、皮が白いさつまいもを見かけることは滅多にないのではないでしょうか。白い皮のさつまいもは白豊(シロユタカ)と呼ばれています。そこで、今回は、白豊(シロユタカ)の特徴と使用方法についてご紹介します。
この記事でわかることは以下の通り。
・白豊(シロユタカ)の活用法がわかる
・向いている料理がわかる
目次
白いさつまいも!白豊(シロユタカ)の特徴
白いさつまいもは、あまり馴染みのない品種ですよね。スーパーでも見かけることは少ないでしょう。しかし、白豊(シロユタカ)は形を変えて食材として使用されているケースが多いようです。
白豊(シロユタカ)は、主に鹿児島県で生産されています。鹿児島県はさつまいもの生産量第1位ですが、生食用よりもでんぷん用や焼酎用のさつまいもの栽培がさかんです。
白豊(シロユタカ)の形や色は?
名前の通り、白豊(シロユタカ)は白い皮が特徴のさつまいもです。ラグビーボールのような形をしており、中くらいの大きさのものが多いようです。果肉も淡黄白なので、黄色の果肉のさつまいもとは異なります。両端はほんの少しだけ紅色をしています。
でんぷんの原料になる
白豊(シロユタカ)は主にでんぷんの原料として使用されています。1985年に命名登録され、1986年に品種登録されました。白豊(シロユタカ)には「豊かな収穫を呼ぶ白いいも」という意味が込められているとのこと。
南九州を中心に、でんぷんの原料用品種として開発されたさつまいもです。お菓子やジュース、麺類やレトルト食品などに使われているため、白豊(シロユタカ)のでんぷんを使った加工品は身近な存在ともいえます。
原材料の表示を見ると「加工でんぷん」「でんぷん」のような記載があれば、白豊(シロユタカ)が使われている可能性が高いですよ。
ネコブセンチュウに強い
白豊(シロユタカ)は、「九系708-13」と「S684-6」を交配させて作られています。「九系708-13」はネコブセンチュウに強い品種のため、白豊(シロユタカ)はその特徴を受け継ぐ形で栽培されています。
ネコブセンチュウとは、さつまいもに多くみられるセンチュウの一種です。ネコブセンチュウに寄生されると根にこぶ状のものが多くみられ、栄養の吸収が阻害されてしまうため対策が必要です。
さつまいもに多くみられる害虫と対策についてはこちらの記事に詳しく書かれています↓
白豊(シロユタカ)の活用法
鹿児島県の種子島で作られている白豊(シロユタカ)は、ミネラル豊富な土壌で作られるため糖度が高くなっているようです。芋焼酎として活用されることの多いさつまいもが、種子島の白豊(シロユタカ)といえます。
種子島で作られた白豊(シロユタカ)を使った焼酎は、蒸すと甘い香りがするため、すっきりとした甘みを感じる風味豊かなものになるのが特徴です。
どんな料理に向いている?
白豊(シロユタカ)は焼き芋には不向きのさつまいもです。なぜなら、甘みが少なくでんぷんが多いから。
とはいえ、芋焼酎用として使用されることもある白豊(シロユタカ)は、食用としても食べられます。焼き芋にすると、白色の果肉にホクホク感とほんのりとした甘みが感じられるようです。ただし、焼き芋用のさつまいもに比べると甘みが劣るため、食用としては流通していないさつまいもといえるでしょう。
安納芋や紅はるか、シルクスイートなど、食用として美味しく頂けるさつまいもが出回っているため、食用よりも加工される場合が多いです。でんぷんとして使用されることが多いので、さつまいもの形をしていなくても私たちの食生活に密接に関わっています。
焼き芋には不向きだけど焼き芋が食べたいときには
白豊(シロユタカ)は焼き芋よりも、でんぷんや焼酎として使用されることが多いさつまいもです。そのため、焼き芋にしても甘みが少なかったり、ホクホクしていて水分が少なかったりすることもあるでしょう。
もし、美味しい焼き芋が食べたいと思ったら、安納芋を選んでみませんか?鹿児島県では、白豊(シロユタカ)のほかに安納芋の生産量も多い地域です。
安納芋はねっとり系のさつまいもの代表格であり、焼き芋にすると甘くてねっとりした食感を楽しめるでしょう。また、シルクスイートや紅はるか、紅あずまも焼き芋にすると美味しく頂けますよ。
さらに詳しくさつまいもの種類が知りたい方はこちらの記事も参考になります↓
まとめ
今回は、白豊(シロユタカ)の特徴と使用方法についてご紹介しました。赤い皮のさつまいもに比べると甘みが少ないので、食用としては浸透されていないですが、でんぷんとして身近な加工食品に使われていることが多い品種です。
また、種子島で作られた白豊(シロユタカ)は芋焼酎としても人気です。このように、白豊(シロユタカ)は焼き芋などの食用には向いていないのかもしれません。しかし、でんぷんや芋焼酎として食生活を豊かにしてくれているのも事実です。
さつまいもの品種によって、用途が変わるのは面白いですよね。スーパーへ出掛けたら、こっそり原材料を見てみると新しい発見があるかもしれません。