さつまいもの芽出しのコツと注意点|ポイントを押さえて栽培スタート!
さつまいもの苗はホームセンターで買うのが当たり前と思っているあなた!
さつまいもの苗が簡単に作れることをご存知ですか?難しそうなイメージを持たれる方もいますが、試してみると案外上手くいくものです。
さつまいもの芽出しの方法を知れば、もっと楽しく家庭菜園ができるかもしれませんよ。では、さつまいもの芽出しの方法とコツについてお伝えします。
この記事でわかることは以下の通り。
・さつまいもの芽出しのコツがわかる
・さつまいもの芽出しの注意点がわかる
目次
さつまいもの芽出しが必要な理由
さつまいもの芽出しが必要な理由は、ほかの植物と違って苗から育てる植物だから。
芽出しとは、収穫したさつまいもを種芋にし、翌年植えるための苗を育てることです。
さつまいもは低温に弱いので、収穫せずにそのまま土の中にさつまいもを残しておいても、さつまいもは育ちません。
苗を育ててから植え付けるため、芽出しの工程が必要です。しっかりと苗を育てることで美味しいさつまいもを収穫しましょう!
はじめる時期と芽出しにかかる日数
苗が取れるまでに約1ヶ月半時間がかかります。
種芋から苗を育てるため、さつまいもの植え付け時期よりも前から準備をする必要があると覚えておきましょう。
5月中旬に苗を植えたいと思ったら、4月上旬に苗作りをスタートさせてください。
4月の終わりに苗を植えたいときは、3月頃から育てることをおすすめします。
芽出しのやり方【温床栽培】
温床栽培とは、微生物の働きによって土の中の温度が高くなったところにさつまいもを埋めて芽出しをする方法です。
温床栽培の良いところは、通気性の良さと温度を保てること。さつまいもは低温では芽出しに失敗してしまいますので、ある程度の高温が条件となってきます。
土が温かいので早めに芽出しの準備ができるメリットがあります。では、芽出しのやり方について確認しましょう。
屋外での育て方
1.種芋を用意する。
2.種芋を48℃のお湯に40分程度浸してから、発砲スチロールで作った箱に10センチほど間隔をあけて種芋を植える。種芋を植えるときは、頭が若干見えるくらいの深さにする。
3.40~45日経過し、葉が7~8枚になったら、地面から葉を2枚ほど残して、ナイフで切り取る。
4.3を日の当たらないところへ3~4日おき、不定根が伸びるまで待つ。不定根が伸びてきて土に植えられる状態になったら成功。
※発砲スチロールの箱には、油かすや落ち葉を敷き詰め、ビニールで覆い空気穴をあけておきます。最初は小さい穴をあけておき、芽が成長してきたら大きめの穴にします。葉がそろうまでは、32℃くらいに保ちましょう。約25℃程度が発芽の適温ともいわれています。
参照元:農林水産省
水やりのポイント
芽が出るまでは、水やりをほとんどしなくても問題ありません。芽出し完了後から毎日水やりをしましょう。
ただし、水のあげすぎは根腐れに繋がってしまうので注意が必要です。葉っぱに勢いが無いときは、水分不足の可能性があるので、水を与えてください。
芽出し後の苗も有効活用できる
ナイフで切り取った種芋の茎からは、1ヶ月くらいで新しい苗ができます。
最初の苗が上手くいかなかったとしても、約1ヶ月待てば同じように苗を植え付けられます。収穫されるさつまいもの数を増やすためにも有効ですね。
芽出しのやり方【水耕栽培】
次に水耕栽培での芽出しのやり方についてお伝えします。
水耕栽培用の容器は、種芋が入ればどんなものでも大丈夫。空いているペットボトルでも代用できます。準備が少なく室内で簡単にできるメリットがあります。
室内での育て方
1.種芋を48℃のお湯に40分程度浸す。
2.種芋を取り出し、新しい器に横にした状態で2センチ程水に浸るようにする。日当たりの良いところで育てる。
3.水を毎日交換し、腐らないように注意。清潔な状態を保ち発芽を促す。ぬめりや泡立ちが見られたら水の交換をこまめに行う。
温床栽培・水耕栽培共に、芽出しに成功したら、土に植えていきましょう。
育て方の工夫
こたつを使ったり、容器を工夫したりと様々な方法で芽出しを試している方もいるので参考になりますよ。
こたつの熱を利用して芽出しをすることもできるようです。
コタツで芽出ししていたさつまいもです☺
第一号です!!コタツの中で約4日で発芽してくれました\(^o^)/ pic.twitter.com/nAI8XV0pr8— けんちゃん@家庭菜園3年生 (@Ryo_245) February 10, 2020
深めの容器を使って芽出しをすることで、湿度を保つ方法だそうです。
https://twitter.com/makimakichancha/status/1265652471461896192?s=20
成功に導く芽出しのコツ
芽出しを成功に導くためにはいくつかのコツがあります。
・苗作りは植える時期を逆算して行う
・お湯に浸して芽の出を良くする&殺菌処理
では、詳しくみていきましょう!
苗作りは植える時期を逆算して行う
https://twitter.com/nkjGy0USDHNKCM8/status/1271993468903022592?s=20
さつまいもを植える時期は4月の終わりから5月の始め頃が最適といわれています。地温が18℃以上になったときを目安にしましょう。
種芋の芽出しに成功していざ植えようと思っても、梅雨入りしてしまうと植えるタイミングを逃してしまいます。適した時期に植えられるように苗作りは早めに行うことが大切です。
お湯に浸して芽の出を良くする&殺菌処理
せっかく作るなら、芽の出を良くしたいと思いますよね!
簡単にできる芽出しのコツは、48℃のお湯に40分程度浸すこと。このひと手間で芽の出が良くなります。さらに、熱めのお湯につけることで殺菌処理もできるので便利です。
押さえておきたい芽出しの注意点
次に芽出しの注意点についても確認しておきましょう。ポイントは以下の通りです。
・水の交換はこまめに行い種芋を腐らせない
・通気性を良好に保つ
・寒い時期の芽出しは温度管理に配慮する
水の交換はこまめに行い種芋を腐らせない
水耕栽培の場合、水をこまめに変えて腐らない対策をしましょう。
水が濁ってきたり、さつまいもが柔らかくなってきたら腐っている可能性が高いです。また、傷があると腐りやすいので、育てる際は傷をつけないように丁寧に扱ってくださいね。
通気性を良好に保つ
芽出しをする際、通気性が悪いとさつまいもがムレてしまいます。温床栽培の際にビニールを覆ったら、空気穴をあけてさつまいもが呼吸できるように気をつけましょう。
寒い時期の芽出しは温度管理に配慮する
種芋が芽を出す適温は25℃といわれています。3月のまだ寒い時期に芽出しをはじめると、気温が低い日もあるので成長が遅くなってしまうことがあります。
低すぎる温度では、種芋が腐ってしまうことも。そのため、ビニール等で保湿し温度管理をしてあげることがポイントです。
まとめ
さつまいもを苗から作るための芽出しは、意外と簡単にできるので試してみる価値はあります。
もし、芽出しに失敗してしまったときても失敗した経験は、必ず次回の栽培に役立ちます。失敗してからでも苗を買って植え付ければ、秋に美味しいさつまいもが収穫できますよ。
季節柄まだ植物を育てる時期でないときに、さつまいもの苗作りを行うのはちょっとした楽しみにもなるでしょう。良かったら、気軽な気持ちでチャレンジしてみませんか。