さつまいものルーツとは?子供の疑問にもすんなり答えられるさつまいもの知識
あなたは子供に、「さつまいもってどこから来たの?何でさつまいもっていうの?」と質問された経験はありませんか?
好奇心旺盛の子供な何でも知りたがります。
親として教えてあげたいと思っても、詳しい由来や理由などわからないことだってありますよね。
あいまいな答えは子供のためにならないと思っているのであれば、この機会にさつまいもについて学んでみませんか?
今回は、さつまいものルーツや雑学も含めて詳しくご紹介します。
この記事でわかることは以下の通り。
・さつまいもの歴史がわかる
・子供に教えてあげたくなる雑学がわかる
目次
さつまいものルーツとは
今では当たり前のように食べられているさつまいもですが、そのルーツは紀元前800~1000年頃まで遡ります。
この頃に、中央アンデス地方で栽培されていたとのこと。
紀元前200~600年に作られたさつまいもの形をした土器も見つかっているそうです。
一方ヨーロッパでは、15世紀の終わりにコロンブスがアメリカから持ち帰ったことがルーツといわれています。
しかし、気候がさつまいもの栽培に適しておらず、それほど作られていなかった様子。
さつまいもは温かい気候を好むため、アフリカやインド、東南アジアの植民地に持ち込まれ、世界中にさつまいもの存在が知れ渡ったとされています。
また、スペイン人やポルトガル人が日本に近い東南アジアへさつまいもを持ち込み、中国へも広まりました。
さつまいもの原産地
さつまいもの原産地は、メキシコを中心に熱帯アメリカといわれています。
さつまいもの属性であるヒルガオ科の植物が多く、さつまいものご先祖様はこの中のトリフィーダという植物であると考えられています。
さつまいもが日本に伝わった流れ
さつまいもが日本へやってきたのは1600年頃のこと。
さつまいもが日本中に伝わるまでには、何度か持ち込まれていたそうですが、中国から琉球(沖縄県)へ伝わったのが最初だそうです。
その後、薩摩(鹿児島)に伝わったことが大きなきっかけとなり、日本全国に広まりました。
徳川吉宗の時代に日本全国に広まった
1833年に起こった天保の飢饉では、江戸三大飢饉のひとつといわれるほどとても苦しい状況が続き、大洪水や冷害のため作物が実らず、多くの餓死者が出てしまったと記録されています。
そこで、食難をおさめようと徳川吉宗が打ち出したのが、救荒作物「さつまいも」の栽培でした。
当時、西日本ではさつまいもが普及していたので、関東でもさつまいもを栽培するよう命じたそうです。
徳川吉宗の命を受け日本全国へ広めたのが、蘭学者の「青木昆陽(あおきこんよう)」。
青木昆陽は、薩摩藩からさつまいもの苗を取り寄せ、さつまいも栽培者の協力をあおぎながら関東で試験栽培を成功させた人物としても有名です。
「甘藷記」を記し、さつまいもの普及に尽力したことから「甘藷(かんしょ)先生」ともいわれていたそうですよ。
さつまいもは地域によって呼び方が異なる
さつまいもの呼び方には所説ありますが、沖縄では「唐芋(とういも・からいも)」鹿児島では「琉球イモ」と呼ばれています。
ただし、琉球イモは戦前までの呼び名で、現在は唐芋と呼ばれ、その他の地域では「薩摩イモ(さつまいも)」といわれているようです。
ちなみに「甘藷(かんしょ)」とは、中国で呼ばれていたさつまいもの呼び方とのことだそうです。
同じ日本でも、方言やイントネーションの違いにより解読が難しいこともありますよね。
たとえば、「おやっとさー(お疲れ様)」「あったらしか(もったいない)」など、これらは鹿児島県で使われている方言ですが、地域によって呼び方はさまざまです。
さつまいもも同じように地域によって呼び方が変わります。
さつまいもの栽培状況
さつまいもの栽培状況は、アジアが全世界の生産量の9割を占めているらしく、特に中国での生産量が多く、ナイジェリアやインドネシア、ベトナム、日本が中国の生産量に続くそうです。
日本の栽培状況は、第二次世界大戦後に大量生産されており、この年代ではさつまいもを主食としている方が多かったようです。
今では、美容と健康に有効なさつまいもとして、人気の食材として栽培されていますね。
さつまいもの生産地
鹿児島はさつまいもの生産量が日本一ということをご存じですか?
安納芋の栽培や芋焼酎でも知られている鹿児島は、さつまいもの栽培に適した風土。
平成30年度農林水産省のデータによると、さつまいもの作付面積は3万5,700ha、収穫量は、79万6,500tでした。
作付面積、収穫量共に鹿児島県が全国一位であり、作付面積1万2,100ha、収穫量278,300t。鹿児島県のほかに、茨城県や千葉県、宮崎県でもさつまいもの生産量は多いようです。
参照元:農林水産省
【雑学】大学芋の由来
さつまいも料理の中に、甘くて美味しい大学芋がありますよね。
大学芋といわれる理由は、大正から昭和にかけて、東京の大学生が好んで食べていたため。
東京大学の前にあったふかしいも屋がさつまいもに蜜を絡めて売っていたものが、大学生の間で人気となったことで大学芋と呼ばれるようになったとか。
由来を知ると面白いですね。
まとめ
今回は、さつまいものルーツについて解説しました。
さつまいもは紀元前800年~1000年頃より食べられていた食材です。とても歴史のある食材ですが、江戸時代には飢饉に見舞われた際、人々を助ける救世主的な食べ物でした。
アンデス地方で栽培され、ヨーロッパを経由し東南アジアへ渡ったさつまいも。
そして、さつまいもは中国から日本へ伝えられ、日本では、甘藷先生こと青木昆陽が広めたとされており、今もなお多くの人に親しまれています。
さつまいもの知識を深めることで、子供に「さつまいもってどこから来たの?」と質問されても、冷や汗をかくことなく教えてあげられるでしょう。
教えることで、子供もさつまいもに興味を持ち、今より美味しく食べてもらえるかもしれませんね。